春遠き氷ノ山坂ノ谷林道(2000.3)
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3月に入り,ようやく春の訪れが感じられるようなってきました。暖かい春の日と澄んだ青空にそびえる真っ白な氷ノ山。それは,もう,自然の造形美そのものです。そんな景色を一目見たいと思い,行ってきました。
坂ノ谷林道
やまめ茶屋に着いた(P)のが8時過ぎ。準備をして出発する頃には,8:30近くになってしまいました。装備はいつものスノボーを背負い,スノボーの靴です。スノーシューやクロカンスキー,山スキーではありません。当然,雪が締まっていなければ,ズボッ!ズボッ!です。でも,3月に入ってからは,暖かい日もあったので,新雪状態ではないでしょう。
林道入り口には,今まで見たことのない量の雪の山ができていました。これを見ただけで,今年の積雪量の多さがわかります。しかし,山スキーやクロカンスキーの新しい跡がたくさんあり,最近もたくさんの人が林道に入っていることがわかります。
思い返せば,4年前。初めて,雪の氷ノ山を登った時は,積雪量は少なかったものの,うっすらと残る足跡だけでした。しかも,地図も持っていなかった上に,坂ノ谷コースは初めてだったので,そのかすかな足跡を頼りに登ったものです。さらには,今のようにスノボーのアタッチメントも持っていなかったので,スノボーは手で持っていたのです。今から考えると,それでよくもまぁ遭難せんかったなぁと我ながらあきれてしまいます。無知の強みとでもいいましょうか,それでもそのおかげで雪山の素晴らしさを知り,氷ノ山をMTBで登ることだって考えたのですから,無知をバカにはできません。
晴れの予報が…
でも,今日は4年前と違って,空がスッキリ晴れません。太陽は出ているものの,雲が多く,上の方はガスってそうです。前日の天気予報では,近畿全体は晴れだというのに,困ったものです。これ以上曇ると山頂はもちろん,三の丸からの展望も期待できません。
1m近く積もった雪の上に残ったシュプールをたどりながら歩きます。雪は締まっているものの,踏ん張るとググッと沈み,歩きにくい。やはり,わかんなどがいるのでしょうか。右手の谷川には,雪解け水が流れています。木の枝には新芽も芽吹き,小鳥のさえずりも聞こえてきます。やはり,この雪深い山にも春はやって来ているようです。
熊の足跡?
それにしても,雪というのはきれいなものです。ふだんは雑草地や空き地,石だらけのかわらのところだって,雪がすっぽりとおおい,なだらかな曲面を描いています。と,その曲面に大きな足跡が。(!)見ると,犬よりはるかに大きく,足跡を見てもそれはまるで熊の足跡です。とすれば…,まさか熊が…。しかもその足跡は,山から谷に向かって3ヶ所にあります。エエ〜ッ!こんな里近くに熊が出るの!?ただ足跡は最近のものではなく,3日ほど前のもののようです。
春はそこまで
空はあいかわらず曇っていますが,小鳥のさえずりを聞きながら,この自然を独り占めです。でも,しだいに暑くなってきました。気温は0度近いのでしょうが,雪道を歩く身には暑過ぎます。ウインドブレーカーを脱ぎ,腕まくりをして進みます。一つ目の橋を過ぎるころから雪がちらついてきました。もう,春の日は隠れてしまっています。まるで,冬山のようです。これでは,もう上部に行っても意味はありません。それどころか,歩くのだってつらい。今日は,坂ノ谷登山口との分岐までとしましょう。そうなると,焦ることはありません。のんびり,雪景色を楽しみながら歩きます。山からは,丸くなった雪がスイスロールのようになって転がり落ちてきています。それでも,熊が出るとヤバイので,時々は奇声を発し,自分の存在を主張します。
それにしても,今まで何回か,雪の坂ノ谷林道を歩いていますが,こんなに雪があったのは初めてです。やはり,氷ノ山は4月からが無難なのでしょう。過去4回の日にちを調べてみても,積雪の少なかった年だけが3月に行っていますが,それ以外は4月です。雪がもっと締まらなきゃいけません。
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ヘアピンカーブを過ぎ,尾根を越え,谷が左手に変わると,坂ノ谷登山口の分岐はもう少しです。左手の尾根を見ると,ガスっています。尾根でそうなんですから,三の丸や山頂はホワイトアウト状態でしょう。しんどい目をして,そんな危険な状態に陥ることはありません。今日は,やっぱり林道往復が妥当です。しかも,しだいに雪は激しく降り出し,吹雪状態です。雪だって,しっかりした粉雪です。3月でも粉雪がこんなに降るんだ,さすが氷ノ山やなぁと感心しながら歩きます。
雪原の坂ノ谷分岐
分岐が左手に見えるようになると,スキーのシュプールは上の道にショートカットしています。そしてようやく坂ノ谷登山口分岐に到着。2時間足らずですが,例年だと1時間で登っているのですから,やはり雪の影響なのでしょう。この調子だと,三の丸だって,何時間かかるかわかりません。三の丸直下の広々とした南斜面,中斜面の東斜面。山頂直下の南斜面と北斜面。よだれの出そうな斜面がたくさんありますが,今日のところはここで終了としましょう。
分岐には,いつもは,案内板があるのですが,今日は雪で埋もれています。深くえぐれた道も今日は緩やかな雪道になっています。ここでこんなんだから,この先は無理だわ。早速,退散です。今季初のスノボーを着けるものの,林道は狭く斜度がないので,滑りにくいことこの上なし。しかも,靴を着けたり外したり。ビンディングを着けるのがジャマくさい。仕方がないので,板の上に座り,スノーボート状態です。これだと,すぐに下りたり座ったりできるので,楽チンです。でもあまり調子に乗って滑っているとがけに落ちそうになるので,要注意です。
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クロカンスキーヤー 発見!
しばらく下っていると前から人が。熊じゃなくてよかった。見ると,Gパンにクロカンスキー,デイバックの軽装です。これから山頂まで行くとか。エエ〜ッ!遭難するゾ!と思いましたが,それはボクの判断で,その人にとってはこんな雪なんて関係ないのかもしれません。ボクが最後の目撃者にならないことを祈って,「お気をつけて」と言うのが,精一杯です。
少し斜度が出てきたので,再びスノボーを着け,よたよたと滑ります。やはりガケがこわい。といっても,あまり山側に近づきすぎると,雪に突進して止まってしまいます。その間にも雪は降り続いています。林道を下り,標高が下がるにつれて,雪がべとついてきました。道の雪も柔らかくなっています。朝の表面だけが締まった雪も歩きにくいですが,こんな雪もちょっと…。
4月に再会を
谷川にはあいかわらず雪解け水が流れています。その周りの木々にも雪は積もっています。でも,一歩一歩,山は春に向かっています。4月にはもっと歩きやすい道,そして滑りやすい山になっていることを願いつつ,本日の坂ノ谷林道雪中ハイキングはおしまいとします。
やまめ茶屋に戻ると,雪は雨に変わっていました。